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統計の読み方

消費者物価指数(CPI)の読み方|総合・コア・前年同月比と2025年基準

「物価が○%上昇」というニュースの数字が、どの系列の、何と比べた値なのかを総務省統計局の資料で確かめる方法をまとめました。

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先に要点

ニュースの「物価上昇率」は多くの場合、消費者物価指数の前年同月比です。総合なのか生鮮食品を除く総合なのかで値が違います。2026年8月分(9月18日公表、2025年=100)は、総合が102.2で前年同月比1.9%上昇、生鮮食品を除く総合が102.0で1.7%上昇、生鮮食品及びエネルギーを除く総合が102.5で1.9%上昇でした。

  • どの系列の数字かを見る
  • 前年同月比か前月比かを見る
  • 寄与度で上昇の中身を分ける
  • 自分の支出構成と比べる

消費者物価指数は何を測っているか

消費者物価指数は総務省統計局が毎月公表する統計で、全国の世帯が購入する財やサービスの価格の平均的な変動を測るものです。食料や衣料、家電のほか、家賃、通信料、授業料、理髪料などのサービスも含みます。

一方で、土地や住宅の購入費は「財産の取得」であり消費支出ではないため、指数に含まれません。持家に住む世帯の住宅費用は、持家を借家とみなした場合の家賃(持家の帰属家賃)として算入されます。生活様式の変化で買う物の種類や量が変わったことによる生活費の変動も、測定の対象外です。

2013年の政府・日本銀行の共同声明では消費者物価の前年比上昇率2%が目標とされ、日本銀行の金融政策を考える際の重要な材料になっています。名目の賃金や収入を実質化するデフレーターとしても使われます。

主な系列の違い

ニュースでよく使われる系列
系列特徴読むときの注意
総合対象品目すべて天候や燃料価格の影響をそのまま受ける
生鮮食品を除く総合天候要因で値動きが大きい生鮮食品を除く。「コア」と呼ばれ、物価の基調を見る指標総合を10000としたときのウエイトは9621(2025年基準)
生鮮食品及びエネルギーを除く総合生鮮食品に加え、エネルギーも除いた系列電気・ガス料金の支援策などの影響を除いて見たいときに使う
持家の帰属家賃を除く総合実際に支払いが発生する支出に近い系列実質賃金や家計調査の実質化に使われる

同じ月でも系列によって上昇率が異なります。2026年8月分では、総合1.9%、生鮮食品を除く総合1.7%、生鮮食品及びエネルギーを除く総合1.9%でした。見出しの数字がどれを指しているかを、統計局の公表資料で確かめてから比較します。

前年同月比・前月比・寄与度の読み方

前年同月比は、1年前の同じ月の指数と比べた変化率です。季節による値動きの影響を受けにくいため、ニュースでは主にこちらが使われます。前月比は直近の動きをつかむのに役立ちますが、季節的な値動きを含む点に注意します。

寄与度は、総合指数の変化率に対して各品目がどれだけ影響したかを示す値です。上昇率が同じ2%でも、食料が押し上げたのか、エネルギーが押し上げたのかで家計への響き方は変わります。統計局の公表資料では、品目別・類別の寄与度が示されています。

家計に当てはめる例
食費が月8万円の世帯で、食料の価格が前年より5%上がっていれば、同じ量を買うための負担はおおよそ月4,000円増える計算です(購入量を変えない場合の単純計算)。指数全体の上昇率ではなく、自分の支出が大きい費目の上昇率で見積もるほうが実感に近づきます。

2025年基準への改定で何が変わったか

消費者物価指数は、世帯の消費構造の変化に合わせて5年ごとに基準を改定し、採用品目とウエイトを見直しています。2026年8月に2025年を基準時とする改定(第17次改定)が行われ、2025年基準で採用している品目数は589品目です。ウエイトは家計調査の結果などを用い、持家の帰属家賃のウエイトは全国家計構造調査の推計に基づきます。

統計局のQ&Aによると、2025年基準への改定で2026年6月分の総合指数の前年同月比は0.1ポイント下方改定となりました。基準改定の前後で発表された数字を並べるときは、どちらの基準による値かを確認します。

体感とずれるときの確かめ方

指数は全国の世帯の平均的な支出構成で計算するため、家賃を払っている世帯、車をよく使う世帯、外食が多い世帯などでは、体感と指数がずれることがあります。家計簿の費目を食料、住居、光熱・水道、交通・通信などに分け、支出の大きい費目の上昇率を統計局の類別指数で確認すると、自分の家計への影響を見積もりやすくなります。

全国の結果より先に、東京都区部の中旬速報値が公表されます。2026年9月分の東京都区部中旬速報値は10月2日に公表されました。全国の動きを先読みする材料になりますが、地域や時期が異なるため、全国の結果そのものとは分けて扱います。

数値の確認先と相談先の選び方

数値は総務省統計局の「消費者物価指数(CPI)」ページで、最新月の公表資料と公表予定を確認できます。年金額の改定や賃金交渉など、指数が判断材料になる手続きは、それぞれの制度の窓口(日本年金機構、勤務先の人事部門、労働組合など)で、どの月・どの系列の指数を使うのかを確かめてください。

出典・確認先

指数値は2026年8月分(2026年9月18日公表)です。翌月以降の値は統計局の公表資料で確認してください。

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