短時間労働者の社会保険加入の企業規模要件は、現在の50人超から、2027年10月に35人超、2029年10月に20人超、2032年10月に10人超へと縮小し、2035年10月には10人以下の企業も対象になります。月額8.8万円以上という賃金要件は、公布から3年以内に全国の最低賃金が1,016円以上となることを見極めて撤廃されます。
- 勤め先の被保険者数を確認
- 週20時間以上かを確認
- 賃金要件の撤廃時期を確認
- 保険料調整制度の対象か
企業規模要件の推移と今後の予定
| 時期 | 対象となる企業規模(従業員数) |
|---|---|
| 2022年10月 | 100人超 |
| 2024年10月(現在) | 50人超 |
| 2027年10月 | 35人超 |
| 2029年10月 | 20人超 |
| 2032年10月 | 10人超 |
| 2035年10月 | 10人以下も対象 |
ここでいう従業員数は、フルタイムの従業員とフルタイムの4分の3以上の時間働く従業員の数(厚生年金保険の被保険者数)です。パートの人数を含めた全従業員数ではない点に注意します。厚生労働省の特設サイトでは、勤め先の規模から加入対象となる時期を調べられます。
週20時間と賃金要件
加入の要件の一つに、雇用契約などで週の所定労働時間が20時間以上であることがあります。もう一つの月額8.8万円以上の賃金要件(いわゆる106万円の壁)は、最低賃金が1,016円以上の地域では週20時間働くと満たすことから、全国の最低賃金が1,016円以上になることを見極めて撤廃するとされています。施行は公布から3年以内の政令で定める日です。
賃金要件が撤廃されると、加入するかどうかは主に週の所定労働時間で決まることになります。時給が上がって年収が増えたかどうかではなく、契約上の労働時間を確認する場面が増えます。
個人事業所への拡大
2029年10月からは、常時5人以上を使用する個人事業所について、法定の17業種以外の業種も適用対象になります。ただし、施行時点ですでに存在している事業所は当分の間、対象外とされています。5人未満の個人事業所は引き続き適用対象外です。
保険料調整制度(就業調整の支援策)
新たに加入対象になる人の手取りの急な減少を抑えるため、保険料調整制度が設けられます。対象は従業員数50人以下の企業などで働き、新たに加入対象となった標準報酬月額12.6万円以下の短時間労働者です。3年間、事業主が保険料の負担割合を増やして本人の負担を軽くでき、事業主の追加負担分は制度全体で全額支援されます。
働く人と事業者が今から確認すること
働く人は、勤め先の厚生年金の被保険者数、自分の週の所定労働時間、加入した場合の保険料と将来の年金額の見込みを確認します。保険料は標準報酬月額に保険料率を掛けて計算され、原則として会社と本人が半分ずつ負担します。
事業者は、対象となる時期、対象になる従業員の人数、会社負担の保険料の総額を試算し、労働時間の見直しを希望する従業員との面談時期を決めておきます。
相談先・申込先の選び方
制度の内容と対象時期は厚生労働省の社会保険適用拡大特設サイト、加入手続きや保険料の計算は日本年金機構(年金事務所)と加入先の健康保険が窓口です。就業規則や雇用契約の見直しは社会保険労務士に相談する方法もあります。
出典・確認先
- 厚生労働省・年金制度改正法の概要(PDF)(2026-10-12確認)
- 厚生労働省・社会保険の加入対象の拡大について(2026-10-12確認)
- 厚生労働省・社会保険適用拡大特設サイト(2026-10-12確認)
- 厚生労働省・年金制度改正法が成立しました(2026-10-12確認)
賃金要件の撤廃日は政令で定められます。施行日が決まった時点で厚生労働省の発表を確認してください。
事実と見通しを分けて、一次情報も確認しよう。